ニューヨークで第一回「ウイグル人権研究討論会」開かれる


大紀元』(http://www.epochtimes.com/gb/ncnews.htm)より


 【大紀元ニューヨーク11月16日訊】『北京の春』誌とウイグルアメリカ協会(UAA)の共同主催による「ウイグル人権研究討論会」が昨日(14日)午後フラッシングにあるシェラトンホテルで開催され、アジア、ヨーロッパ、カナダおよびアメリカ各地から100名近くのウイグルの人権を研究する専門家や学者、民主化運動活動家が参加した。胡平やウアルカイシなどの15名の講演者がウイグル族の人権の現状や、民族独立と民主化運動の関係等の問題について探究した。多くの講演者が中共の独裁政治が民族衝突を作り出す根源であり、民主化が問題解決の最もよい道だと見ている。


 『北京の春』誌の発行人于大海とウイグルアメリカ協会秘書長のヌルの共同司会で会議は7時間にも及んだ。この会議のために台湾から訪れた天安門学生運動の指導者であり、ウイグル人でもあるウアルカイシがまず主催者に感謝と敬意を表した。彼は話の中で、このような人々が触れたがらないテーマについての討論会が、天安門事件民主化運動関係者が海外に亡命して以来15年間で初めて開催された。その理由は問題自身が「異常に血腥く残虐」であり、討論会が意見の対立や憎悪を免れず、有効な解決方法ひとつも手にすることができないからかもしれない、と語った。


 ウアルカイシは、「私は民主化運動活動家であり、また私はウイグル人であることを誇りに思っている。ウイグル人から見て、漢人とは何であるか?非常に恐ろしい人間である。」と語った。 またウアルカイシはこう認識した。中共の新疆ウイグル人に対する統治は植民地統治であり、資源の占有、現地の文化に対する蔑視、反抗の弾圧など、歴史上のすべての植民地支配の特徴と完全に符合している。それゆえウイグル人の憎悪はとてもよく理解できる。だが憎悪は問題を解決することはできず、正義を追求することこそ問題を解決する方法である。


 ウアルカイシは、ウイグル人漢人と向かい合うことが無視し得ない現実であることを学ばなければならず、権力の平等と調和を打ち立てるよう努力しなければならない、と語った。彼は漢語の「千里之行始于足下(千里の道も一歩から)」と「行者常至、為者常成(行く者は常に至り、なす者は常に成る)」を用いて、参加者と共に学んでいくことを謳った。


 トルコHacettepe大学中央アジア政治研究センターのウイグル人教授、エルキン・エクレム教授は《ウイグル人は本当にテロリストか?》と題して、ウイグル人中国共産党政策に対する反抗を分析比較した。突厥諸語の比較言語講師であるエルキン・エメット博士は漢族・ウイグル族間の矛盾と衝突の原因を分析した。各種の統計資料から中国政府の文化教育が人民を無知にさせる政策を推し進めていると説明した。また彼は、ウイグル人が高等教育を受ける機会がかなり少なく、卒業生も就職の見込みが立たず、深刻な社会問題と精神問題を引き起こしていると語った。


 「中国人権」香港事務所の主任であり、新疆問題研究の専門家であるアメリカ学者のニコラスは、中共の政策と新疆における人権侵害との二つの角度から分析すると、独裁制度が引き起こしていることはすぐに理解できる。もし中国が民主国家であればこのような突出した民族矛盾はありえない、と語った。彼は新疆の問題は全中国の人権問題に関心を寄せることから、全中国公民の人権問題と一緒に分析して、見なければならない、とした。


 『北京の春』編集者の胡平、中国民主党の創設者徐文立、中共党史専門家の司馬?(王偏に路)、中国自由民主党主席の倪育賢らがそれぞれ《実行可能性の角度から非暴力闘争を語る》、《中国民主化の道―我々はどのようにすべきか?》、《民族と国籍の自由は同じである》、《民族独立と民主化運動の関係》と題して、それぞれの見解を発表した。


 胡平は「自分を見るように相手も見る」という気持ちでウイグル族の人権問題に対処しなければならないとした。徐文立は民主化運動活動家は金もなく権利もなく、ただ道義があるのみであり、もし公共心を至上としないならば、中国の民主化運動には希望はないと強調した。司馬?(王偏に路)は人民の権力は国家よりも高いと主張し、民族の自決権に賛成し、中国の大漢族主義に反対した。彼は、民族は平等であるべきであり、問題の紛糾は民主主義の原則に基づき解決しなければならない、と語った。倪育賢は、中国の民族問題の前提は一党独裁を覆すことであり、民族平等と民族自決は正義である、という考えを表した。


 午後、3時間近くを過ぎた会議で、さらに7名の専門家・学者が継続して講演を行った。その中には89年民主化運動学生指導者項小吉の《ウイグル人民の権利と目標》、コロンビア大学学者陳破空の《民主化は民族衝突解決の最良の道》、大陸学者高寒の《中国民主移行期「民族主義」問題の思考プロセスについての若干の研究》、カナダ学者杜智富の《カナダ連邦の経験から見た中国の未来》、台湾学者洪哲勝の《ウイグル自治問題に与えるいくつかの建議》などが含まれた。


 洪哲勝は、中共政権の統治は半世紀を超え、ウイグル人チベット人内モンゴル人が蹂躙されているのみならず、漢人もまた彼らの虐待の対象である、との見解を示した。彼は、天安門で戦車に轢かれ、機銃掃射を受けた学生や殴られ、監禁され、洗脳を受けさせられ、精神病院に送られている法輪功のメンバーも多くは漢人ではないのだろうか?、と語った。さらに彼は、中共は人民の共通の敵であり、これと単独で戦うのはいい方法ではなく、国際社会に関心を持たれるような人類文化・人権と自決を勝ち取る闘争へと発展させていかなければならない、と語った。


http://www.epochtimes.com/gb/4/11/16/n718750.htm


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http://www.epochtimes.com/gb/4/11/15/n718541.htm